企業向けSNSリテラシー研修企業研修の詳細を見る

悪気のない一言がハラスメントに。SNSで他人を攻撃しない・押し付けない

悪気のない一言がハラスメントに。SNSで他人を攻撃しない・押し付けない

SNSの注意点というと、「自分がトラブルに巻き込まれないように」という話が多くなりがちです。

でも、もうひとつ大事な視点があります。それは、自分が誰かを傷つける側になっていないかということ。しかも、そうなるときはたいてい悪気がないんですよね。ちょっと一緒に振り返ってみましょう。

目次

「誹謗中傷のつもりはなかった」でも成立します

誹謗中傷とは、根拠のない悪口や、相手の人格を傷つける書き込みのことです。

やっかいなのは、書いた本人の意識と、受け取られ方がずれるという点です。「批判のつもりだった」「事実を書いただけ」と思っていても、読む側からは攻撃に見えることがあります。

法律の面でも、扱いは重くなっています。2022年7月7日に施行された改正刑法で、侮辱罪の法定刑が引き上げられました。かつては拘留または科料のみでしたが、現在は1年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金などが科される可能性があります。あわせて、公訴時効も1年から3年に延びました。

法務省が公表した事例には、SNSに他人の画像を載せて容姿を侮辱する書き込みをしたケースなどが含まれています。「たった一言」でも対象になりうる、ということですね。

いちばん確実な対策はシンプルです。特定の誰かを悪く言う投稿は、そもそも書かない。これに尽きます。

悪気のない「押し付け」も、ハラスメントになります

もうひとつ、見落とされやすいのがこちらです。

たとえば、職場の上司が部下に「Facebookやってるんだ、じゃあ友達になろうよ」と声をかける。本人にはまったく悪気がありません。親しみを込めた一言のつもりです。

でも、言われた側はどうでしょうか。プライベートの投稿を職場の人に見られたくない。かといって、上司からの申し出を断るのは気まずい。断れない関係だからこそ、負担になるわけですね。

こうした、SNS上での立場を使った圧力はソーシャルハラスメント(ソーハラ)と呼ばれることがあります。よくあるのは、こんな行為です。

  • 友達申請やフォローを求める
  • 自分の投稿にいいねやシェアを求める
  • 相手の投稿にいちいちコメントする、行動をチェックする
  • 返信がないことを対面で問いただす

どれも単体では小さなことです。でも、上下関係があると、断る自由がなくなる。そこが問題なんですね。

押し付けにならないための、3つの線引き

つながること自体が悪いわけではありません。気持ちよく使うための目安を挙げておきます。

  • 言うのは一度だけ。繰り返さない
    二度目からは催促になります。返事がないのは、やんわりした断りかもしれません
  • 断りやすい言い方にする
    「気が向いたらで大丈夫だよ」と添えるだけで、相手の逃げ道ができます
  • 立場が上のほうから声をかけない
    上司や先輩からの申し出は、それだけで圧になります。つながりたいなら、相手から来るのを待つのが安全です

自分の価値観や考え方を、投稿を通じて他人に押しつけるのも同じです。「こうすべき」という言い方が増えていたら、少し立ち止まってみてもいいかもしれません。

「つきまとい」になっていないか

もう一段階進むと、ネットストーカーの領域になります。

特定の相手の投稿をすべて追いかける。何度もメッセージを送る。ブロックされたら別のアカウントで接触する。こうした行為は、ストーカー規制法の規制対象に含まれる場合があります。SNSでのメッセージの連続送信も、対象となりうる行為です。

「好意があるだけ」「心配しているだけ」というつもりでも、受け取る側が恐怖を感じていれば、話が変わってきます。

もし、自分が言われる側になったら

ここは、断りづらくて困っている方向けです。

  • すぐに返事をしない
    「あとで見ますね」で十分です。その場で決めなくて大丈夫です
  • アカウントの使い分けを理由にする
    「そのアカウント、家族とのやりとり用なんです」など、相手を否定しない言い方が使いやすいです
  • 制限機能を使う
    多くのSNSには、投稿ごとに公開範囲を変える機能や、特定の人にだけ表示しない設定があります
  • 困ったら相談する
    職場の相談窓口や、都道府県の労働局にある総合労働相談コーナーで相談できます

無理につながる必要はありません。断ることは、失礼ではないですよ。

SNSの投稿前、5つのチェック

  • その投稿に、特定の誰かを悪く言う内容が入っていないか
  • 「こうすべき」という押し付けになっていないか
  • 相手が断りにくい立場の人に、何かを求めていないか
  • 同じことを何度も言っていないか
  • 対面で、同じ言葉を言えるか

最後のひとつが、いちばん実用的な目安かもしれません。

よくある疑問

批判と誹謗中傷の違いは何ですか?

ざっくり言うと、内容や行為に向けているのが批判、その人自身の人格に向けているのが誹謗中傷です。「この対応はよくないと思う」は批判、「あの人は最低な人間だ」は誹謗中傷寄り、というイメージですね。

職場の人と絶対につながってはいけませんか?

そんなことはありません。お互いが望んでつながっているなら、まったく問題ありません。気をつけたいのは、一方が断りづらい状況で始まるときだけです。

さいごに

SNSで誰かを傷つけてしまうとき、多くの人に悪意はありません。「親しみを込めたつもり」「正しいことを言ったつもり」だったりします。

だからこそ、送信ボタンを押す前に一度だけ、相手の立場から読み返してみるたったこれだけで、防げるすれ違いはかなり多いです。気持ちよく使うために、少しだけ意識してみましょう。

悪気のない一言がハラスメントに。SNSで他人を攻撃しない・押し付けない

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

この情報を知り合いと共有しよう
目次