SNSを見ていて、「この考え方って、けっこう多くの人が支持しているんだな」と感じたことはありませんか。
自分の意見に近い投稿が並んでいて、賛同のコメントもたくさんついている。だから、自分の感覚はきっと世間の平均に近いのだろう、と。
でも、その感覚は少しズレているかもしれません。ちょっと立ち止まって、確認してみましょう。
エコーチェンバーとは「自分の声が返ってくる部屋」
エコーチェンバーとは、同じような考えの意見ばかりを見ているうちに、その考えが正しいと信じ込んでしまう現象のことです。
もともとは、音が反響する部屋のことを指す言葉です。山に向かって叫ぶと、やまびこが返ってきますよね。あれが四方八方から返ってくる部屋を想像してみてください。自分ひとりの声なのに、大勢が同じことを言っているように聞こえてしまいます。
つまりSNSではどういうことかというと、自分と似た意見が繰り返し目に入ることで、それが世の中の総意のように感じられてしまう、ということです。
なぜSNSでは、こうなりやすいのか
理由はシンプルです。人は、自分と考えが近いアカウントをフォローするからです。
「そうそう、その通り」と思える発信をしている人をフォローする。これはごく自然なことですよね。でも、それを重ねていくと、タイムラインに流れてくるのは、自分がすでに正しいと思っている意見ばかりになります。
さらに、そういう発信をしている人のところには、やはり似た考えの人が集まっています。類は友を呼ぶ、というやつですね。返信欄も同じ方向の意見で埋まります。
そこにSNS側の仕組みも重なります。表示内容が一人ひとりに合わせて調整される、フィルターバブルという現象です。自分の選択と、SNSの仕組み。この2つが合わさって、部屋の反響はどんどん強くなっていきます。
何が問題になるのか
いちばんの問題は、自分が多数派だと誤解してしまうことです。
たとえば、子育ての方針、健康法、仕事のやり方、社会的なテーマ。こうした意見の分かれる話題で「これが常識だ」と思い込んだまま発信すると、どうなるでしょうか。
まず、違う意見の人を見たときに、「変わった人だな」「わかっていないな」と感じやすくなります。そして、つい強い言葉で返してしまう。これが口論の火種になり、場合によっては炎上(多くの人から批判が集まる状態)につながることもあります。
自分としては、みんなの意見を代表して言ったつもり。でも実際には、部屋の中の声しか聞いていなかった。そういうすれ違いが起きるわけですね。
部屋の外の声を聞く、4つの工夫
- 月に一度、フォロー一覧を眺めてみる
同じような発信の人ばかりになっていないか、確認するだけで気づくことがあります - 反対の意見を、批判するためではなく読んでみる
「なるほど、こういう理由でそう考えるのか」まで読めると、見え方が変わります - 「みんな言ってる」の”みんな”は何人か、数えてみる
数十人の声かもしれません。それは世の中の全体像ではありません - SNS以外の場の声にも触れる
家族、職場、地域の人。SNSの外には、そもそも投稿しない人が大勢います
よくある疑問
まとめ
似た考えの人とつながることは、悪いことではありません。安心できる場所があるから、SNSは楽しく使えます。
大事なのは、ときどき「いま見えているものが全部ではないかもしれない」と思い出すこと。
それだけで、判断はぐっと落ち着きますし、余計な衝突も減っていきます。たったこれだけで防げるトラブルは、けっこう多いですよ。



