「それは間違ってると思う」「そういうのはよくないですよ」SNSで誰かの投稿にこういったコメントを書いたことはありませんか?
良かれと思って書いたひと言が、思わぬトラブルの入り口になってしまうことがあります。特に、自分がよく知らない分野や、直接関係していない出来事への発言は要注意です。
実際に起きたトラブル事例
【事例1】「さらし投稿」で損害賠償リスク(正義感が加害者を生む)
電車内で不審な行為を見かけた人が、スマートフォンで撮影し「このエロオヤジ、痴漢してました」とSNSに投稿した事例があります。
一見すると正義の行動に見えますが、これは相手の名誉・プライバシー・肖像権を侵す可能性のある行為です。こうした「さらし」「私刑」的な投稿は損害賠償の対象になりうるので注意が必要です。
正義感からの投稿であっても、法的なリスクを負うことがある。忘れてはいけませんね。
【事例2】炎上に「便乗コメント」した一般人が加害者に
SNSで誰かが炎上しているとき、状況をよく知らないまま批判コメントを書き込んだり、拡散したりする人は少なくありません。しかし、政府広報オンラインでは「誰かを攻撃する投稿をリツイートすることも、数の暴力であり加害者にほかならない」と指摘しています。
また、脳科学者の中野信子氏によると、他人に「正義の制裁」を加えると脳の快楽中枢が刺激されドーパミンが放出される「正義中毒」の状態になることがあるとされており、炎上への参加が感情的になりやすい理由のひとつと考えられています。
出典:あなたは大丈夫?SNSでの誹謗中傷——加害者にならないための心がけ|政府広報オンライン
「詳しくない分野」へのコメントが特に危険
自分がよく知らない分野や文化には、外からは見えないルールや背景が存在します。音楽・スポーツ・特定の趣味のコミュニティには、それぞれ独自の文化があり、当事者にとっては当たり前のことが、外部から見ると誤解を招くこともあります。
そこに否定的なコメントを書いてしまうと、「何も知らないのに口を出してきた」と受け取られ、思わぬ反発を招くことがあります。行ったことのないお店や、参加したことのないコミュニティの話題に口を出すのも同じリスクがあります。
「自分が当事者でない」なら一歩引くのが正解

誰かの投稿が気になっても、自分がその出来事の当事者でないのであれば、コメントや返信を控えるのが賢明です。
「それは間違っている、正してあげなきゃ」という気持ちになることもあるかもしれません。でも、SNS上でその役割を担う必要は、基本的にありません。
「口は災いの元」「小さな親切、大きなお世話」という言葉があるように、善意のひと言がトラブルの引き金になることがあります。
SNSコメントの判断基準として使えるシンプルなルール
コメントする前に、次の点を確認してみてください。
- 自分はその分野・話題について十分な知識があるか
- 自分はその出来事の当事者か、または当事者から意見を求められているか
- 書こうとしているコメントは、ポジティブな内容か
1・2のどちらにも当てはまらない場合は、コメントしないか、「いいですね」「素敵ですね」といったポジティブな言葉に留めておくのが無難です。
SNSで「見るだけ」「読むだけ」という選択は、弱さではなくリスク管理の知恵です。余計なコメントをしないことが、自分自身を守ることにもつながります。



