タイムラインに流れてきた写真や動画を、疑わずに見てしまうこと、ありませんか。
文章なら「本当かな」と思えても、写真や動画は証拠のように感じてしまうんですよね。「映っているんだから本当だろう」と。その感覚は自然なものですが、いまはそこが揺らいでいます。
数分で作れてしまう時代です
生成AIを使うと、実際には起きていない出来事の画像が、驚くほど簡単に作れてしまいます。専門知識も、時間も必要ありません。数分あれば十分です。
たとえば、実在する国の指導者がありえない行動をしている写真。あるいは「富士山が噴火、急いで逃げて」という言葉とともに投稿された、噴火中の富士山の写真。

こうしたものは、「これは偽物です」と言われた状態で見れば、たいていの方が「たしかに変だな」と気づけます。でも、通りすがりのタイムラインで、スクロールの途中でパッと目に入ったときはどうでしょうか。落ち着いて細部を見る余裕は、なかなかありません。
【クイズ】どっちが本物?どっちがChatGPTで作った画像?
クイズです!次の2枚の写真、どちらが本物の写真でしょうか?
写真A

写真B

答えは、この記事の最後に書いておきます。
よく見ると「あれ?」がある
とはいえ、現時点では手がかりが残ることも多いです。よく見ると、こんな違和感が出ています。
- 手や指の形が不自然(本数が合わない、関節の向きがおかしい)
- 腕や体のつながり方が変(肩や胴体との接続が不自然)
- 文字が崩れている(看板や標識の文字が読めない文字列になっている)
- 光や影の向きが合っていない
- 背景が溶けている(人や建物の輪郭がぼやけている)
- 全体的に絵っぽい(写真というより、イラストのような質感)
気になる投稿があったら、少し拡大して細部を見てみてください。それだけで気づけることは、けっこうあります。
ただし「自分は見破れる」と思わないでください
ここが、いちばんお伝えしたいところです。
先ほど挙げた違和感は、あくまで簡単に作られたものの場合です。手間をかければ、もっと精度の高いものが作れますし、技術は日々よくなっています。
「このレベルなら見抜けるな」と思った瞬間が、いちばん危ないタイミングかもしれません。
細部を見て判断するという方法には、限界があるということですね。
画像だけの話ではありません
いま問題になっているのは、静止画だけではありません。
動画では、有名人が実際には言っていないことを話しているように見える映像が作られています。表情も口の動きも自然で、見ただけでは判断がつきません。有名人が投資を勧めているように見せかけて、お金をだまし取ろうとする広告も出回っています。
音声も同じです。海外では、家族の声を再現した電話でだまそうとする手口が報告されています。子どもの声で「事故を起こした、お金が必要」と電話がかかってくる、といったものですね。
声が本人そっくりだと、判断はいっそう難しくなります。
だまされないための、5つの習慣
細部を見るより、確認の手順を決めておくほうが確実です。
- まず発信元を見る
画像そのものより、誰が投稿しているかのほうが判断材料になります - 重要な情報は、必ず別の場所で確かめる
災害や事件なら、気象庁や自治体などの公式サイトへ。写真より、公式発表のほうが早くて確実です - 家族との「合言葉」を決めておく
声を使った詐欺への備えです。電話で急かされたときに確認できる言葉を、家族内で決めておくと安心です - お金の話は、必ず一度電話を切る
本人の番号にかけ直す。これだけで、多くの手口は防げます - 有名人が勧めるもうけ話は、まず疑う
本物に見えても、本人が関与していない可能性を先に考えます
よくある疑問
さいごに
「写真があるから本当」「動画で本人が話しているから本当」。この前提は、もう成り立たなくなってきています。
とはいえ、すべてを疑って過ごすのはしんどいですよね。目に入ったものが作られたものかもしれない、と頭の片隅に置いておく。それだけで十分です。急かされたときほど一度立ち止まる。たったこれだけで、防げる被害はかなり多いですよ。



