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【社会人のSNS防衛術】IPAの「情報セキュリティ対策ガイドライン」は個人のSNS利用にも使える!

【社会人のSNS防衛術】IPAの「情報セキュリティ対策ガイドライン」は個人のSNS利用にも使える!

会社ではセキュリティ研修を受けたけど、プライベートのSNSは正直ノーガードかも……

そんなふうに感じたこと、ありませんか?

仕事では気をつけていても、日々使っているSNSでは、パスワードを使い回していたり、知らない人からのDMを何気なく開いてしまったり。「自分は大丈夫」と思っていても、SNS経由のフィッシング詐欺やアカウント乗っ取りの被害は年々増えていて、決して他人事ではありません。

そんな社会人のSNS利用に役立つヒントが、実はIPA(独立行政法人 情報処理推進機構)が無料で公開している「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」の中にたくさん含まれています。

「中小企業向けでしょ? 自分には関係なさそう」と思うかもしれません。でも、このガイドラインに書かれている対策の基本は、個人が日常的にSNSを使うときの”身の守り方”にそのまま応用できるものばかりです。

この記事では、2026年3月に公開されたばかりの第4.0版の内容をもとに、社会人がSNSを安心して楽しむためのセキュリティ対策をやさしくお伝えします。

目次

まず知っておきたい|このガイドラインってどんなもの?

IPAの「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」は、情報を安全に管理するための考え方や、段階的に対策を進めるための具体的な方法をまとめた資料です。

本編は「経営者編」と「実践編」の2部構成で、さらに自社診断シートやハンドブックのひな形など、実務にすぐ使える付録が8つも付いています。すべてIPAの公式サイトから無料でダウンロードできます。

第4.0版では、ランサムウェア(身代金型のウイルス)被害の拡大やサプライチェーン攻撃の増加といった最新の脅威を踏まえて、内容が大幅に見直されました。特に注目すべきは、従来の「5か条」に「バックアップを取ろう!」が追加されて「情報セキュリティ6か条」になったことです。

「企業向けの話でしょ?」と思うかもしれませんが、この6か条をよく読んでみると、SNSを使うすべての人に当てはまる内容なんです。

「情報セキュリティ6か条」をSNSの日常に当てはめてみよう

ガイドラインで「企業の規模に関わらず、必ず実行すべき重要な対策」として掲げられているのが「情報セキュリティ6か条」です。

ひとつずつ、SNSを使う社会人の日常に当てはめて読み解いていきましょう。

第1条:OSやソフトウェアは常に最新の状態にしよう!

ガイドラインでは、古いOSやソフトウェアを放置するとセキュリティ上の弱点が残り、ウイルスに感染する危険があると警告しています。

SNSに当てはめると……

スマートフォンのOSやSNSアプリのアップデート通知、「あとで」を押したまま放置していませんか? アップデートには、セキュリティ上の弱点を修正するプログラムが含まれていることが多いです。

たとえば、古いバージョンのアプリを使い続けていたら、すでに修正されていたはずの弱点をつかれてアカウントに不正アクセスされた……というケースも実際にあります。

今日からできること: 自動アップデートをオンにして、OSもSNSアプリも常に最新の状態にしておきましょう。

第2条:ウイルス対策ソフトを導入しよう!

ガイドラインでは、IDやパスワードを盗んだり、ファイルを暗号化したりするウイルスが増えていると説明しています。

SNSに当てはめると……

「スマホにウイルス対策って必要なの?」と思う方も多いですが、SNS経由で不審なリンクを踏んでしまうリスクは誰にでもあります。DMで届いた「当選しました!」のリンクや、タイムラインに流れてきた短縮URLなど、見慣れないリンクからウイルスに感染するケースは少なくありません。

今日からできること:スマートフォンにもセキュリティ対策アプリを入れておくと、不審なサイトへのアクセスを事前にブロックしてくれるので安心です。

第3条:パスワードを強化しよう!

ガイドラインでは、パスワードの使い回しや推測されやすいパスワードの危険性を指摘し、「長く」「複雑に」「使い回さない」ことを推奨しています。特にVPNや重要なシステムに対しては、多要素認証(複数の手段を組み合わせた本人確認)の活用を勧めています。

SNSに当てはめると……

これは、まさにSNSアカウントの話です。「名前+誕生日」のようなパスワードや、複数のSNSで同じパスワードを使い回していると、ひとつのサービスで漏れた情報をきっかけに、他のSNSまで乗っ取られる危険があります。

今日からできること

  • パスワードは10文字以上で、大文字・小文字・数字・記号を混ぜる
  • SNSごとに違うパスワードを設定する
  • パスワード管理アプリを使って安全に保管する
  • SNSの設定画面から**二段階認証(多要素認証)**をオンにする ← これだけで乗っ取りリスクが大幅に下がります

第4条:共有設定を見直そう!

ガイドラインでは、クラウドサービスやネットワーク機器の設定ミスで、無関係な人に情報を見られるトラブルが増えていると指摘しています。

SNSに当てはめると……

SNSの「公開範囲」の設定、最後に確認したのはいつですか?

「友だちだけに公開しているつもり」が、実は全世界に見えていた……ということは意外とよくあります。また、位置情報が投稿に自動で付いていたり、古い連携アプリにアカウントの権限を与えたままになっていたりすることも。

今日からできること

  • 各SNSの「プライバシー設定」を開いて、公開範囲を確認する
  • 使っていない連携アプリの権限を解除する
  • 投稿に位置情報が付いていないか確認する

第5条:バックアップを取ろう!(←第4.0版で新たに追加!)

第4.0版で新しく加わったこの項目。ガイドラインでは、故障やウイルス感染でデータが消えたり暗号化されたりしても、事業を継続できるようバックアップの取得を推奨しています。

SNSに当てはめると……

もしある日突然、SNSのアカウントにログインできなくなったら? 乗っ取られて過去の投稿をすべて消されたら?

長年かけて投稿してきた写真や文章は、バックアップがなければ二度と取り戻せません。

今日からできること:

  • 主要なSNSには「データのダウンロード」機能があるので、定期的にバックアップを取る(X、Instagram、Facebookなどに標準搭載)
  • 大切な写真や動画は、SNS以外の場所にも保存しておく

第6条:脅威や攻撃の手口を知ろう!

ガイドラインでは、取引先を偽ったウイルスメールや、正規サイトに似せた偽サイトなど、巧妙な手口が増えていると注意喚起しています。

SNSに当てはめると……

「あなたのアカウントが凍結されます」「不審なログインがありました」──こうした偽のメッセージをDMやメールで送りつけて、ログイン情報を入力させようとする手口(フィッシング)が横行しています。

手口を知っていれば、「これは怪しい」と気づけます。知らなければ、焦ってリンクを押してしまうかもしれません。

今日からできること:

  • IPAの「安心相談窓口だより」やSNS公式のセキュリティ情報をチェックする習慣をつける
  • 「アカウント凍結」「緊急」「今すぐ確認」といった言葉で焦らせるメッセージは、まず疑ってかかる
  • 不審に思ったら、公式アプリから直接ログインして確認する(メッセージ内のリンクは踏まない)

ガイドラインの「ランサムウェア事例」はSNS利用者にも他人事じゃない

ガイドラインの第1部(経営者編)には、情報セキュリティ対策を怠った場合に企業が被る4つの不利益として「金銭の損失」「顧客の喪失」「事業の停止」「従業員への影響」が挙げられています。

たとえば、VPN機器の脆弱性を突かれてランサムウェアに感染し、対応に約2.5億円以上のコストがかかった建設業の事例が紹介されています。原因は、機器の入替を半年先送りにしたこと。たった半年の判断の遅れが、大きな被害につながってしまったわけです。

「それは企業の話でしょう」と思うかもしれません。でも、これは個人にも当てはまります。

SNSのアカウントが乗っ取られれば、個人情報が悪用されたり、友人にスパムメッセージを送られたり、なりすましで詐欺に加担させられたりする可能性があります。「アプリの更新をあとで」「パスワードの変更はそのうち」という先延ばしが、取り返しのつかない結果を招くこともあるのです。

「5分でできる!自社診断」を自分用にアレンジしてみよう

ガイドラインの付録には、25項目の質問に答えるだけで対策状況がわかる「5分でできる!情報セキュリティ自社診断」が付いています。

これは企業向けのチェックシートですが、個人のSNS利用にも応用できる項目がたくさんあります。

たとえば、こんなふうに自分に問いかけてみてください。

  • スマホのOSやアプリは最新の状態になっているか?
  • SNSのパスワードは長く・複雑にしているか?
  • 同じパスワードを複数のサービスで使い回していないか?
  • SNSの公開範囲を「誰でも見られる」にしていないか?
  • 二段階認証(多要素認証)をオンにしているか?
  • 不審なDMやリンクに注意しているか?
  • 大切なデータ(写真・投稿)のバックアップを取っているか?

全部「はい」と答えられなくても大丈夫です。大事なのは、「どこが弱いか」に気づくこと。気づけば、そこから対策を始められます。

よくある質問(FAQ)

このガイドラインは無料でダウンロードできますか?

はい、IPAの公式サイトからすべて無料でダウンロードできます。本編のPDFだけでなく、自社診断シートやインシデント対応の手引きなど実用的な付録もすべて無料です。

企業向けのガイドラインを個人が読んでも意味がありますか?

あります。特に「情報セキュリティ6か条」や、パスワード管理・バックアップ・脅威の手口に関する解説は、SNSを使うすべての人に当てはまる内容です。「企業」を「自分自身」に置き換えて読むと、日常のセキュリティ意識がぐっと高まります。

第4.0版で特に注目すべきポイントは?

バックアップの項目が追加されて「6か条」になったことと、ランサムウェアやサプライチェーン攻撃への対応が強化されたことです。個人にとっては、「バックアップを取る習慣」と「攻撃の手口を知る習慣」をつけることの大切さを改めて確認できる内容になっています。

SNSアカウントが乗っ取られたら、まず何をすればいいですか?

ガイドラインの付録にある「セキュリティインシデント対応の手引き」が参考になります。まず被害の拡大を止めること(パスワード変更、連携アプリの解除、SNS運営への報告)が最優先です。慌てて対象機器の電源を切ったり、不用意に操作したりしないようにしましょう。

まとめ:「企業のルール」は「自分を守るルール」にもなる

IPAの「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」は、タイトルこそ「中小企業向け」ですが、その中に書かれている基本的な考え方は、SNSを使うすべての社会人に通じるものです。

特に「情報セキュリティ6か条」は、難しいIT知識がなくても、今日から自分のスマホで実践できることばかりです。

  • OSとアプリを最新に保つ
  • セキュリティ対策アプリを入れる
  • パスワードを強化し、二段階認証をオンにする
  • SNSの公開範囲と連携アプリを見直す
  • 大切なデータのバックアップを取る
  • 新しい手口を知って、騙されない力をつける

全部を一度にやろうとしなくて大丈夫。ひとつずつ、気づいたところから始めてみてください。「知っていたから防げた」を、ひとつでも増やしていきましょう。

この記事は、IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)が公開する「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン 第4.0版」の内容を参考に、SNS安全ナビ編集部が個人のSNS利用者向けに独自の視点でまとめたものです。

【社会人のSNS防衛術】IPAの「情報セキュリティ対策ガイドライン」は個人のSNS利用にも使える!

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