近年、多くの人が日常的に利用しているSNS。しかし、その手軽さゆえにさまざまなトラブルに巻き込まれるリスクも高まっています。この記事では、SNSで起こりがちなトラブルの事例をいくつかご紹介します。あくまでも一例ですが、普段から気をつけるべきポイントを整理するきっかけになれば幸いです。
事例1:不適切な投稿による炎上
SNSでよく耳にする「炎上」とは、不適切な投稿が引き金となって、批判や誹謗中傷などの否定的なコメントが殺到することです。
SNSで炎上が起こる理由には、いくつか理由がありますが、SNSを使う際に注意をしなければいけないのが「不適切な投稿」です。
自分は大丈夫と思い込むのは危険です。何気ない発言が思わぬ誤解を生み、大きな騒動につながることもあります。ジョークのつもりが、人によっては不快感を与える可能性があることを常に意識しましょう。
不適切な投稿を防ぐための対策
- 投稿前に内容を再確認する(自分のことを知らない人が誤解をしないか?)
- 公序良俗やプライバシーへの配慮を忘れない(マナー違反や他人の権利を侵害していないか?)
- 他者を傷つける恐れがないかを検討する
事例2:知らないうちに誹謗中傷していた・されていた
SNSは、多くの人が“思ったことをそのまま投稿しやすい場所でもあります。
言葉遣いや表現の仕方によっては、相手に深く傷を与えてしまうことも。たとえ悪意がなくても、投稿を見た人が傷ついてしまえば誹謗中傷と受け取られる可能性があります。
自分が意図せずに誹謗中傷をしてしまわないように気をつける必要があります。
逆に自分が誹謗中傷の対象になってしまう危険性もあります。SNS上では匿名での書き込みも多く、精神的なストレスを受けてしまうこともあります。
誹謗中傷をしないための対策
- 投稿前に内容を客観的に読み返す
- 特定の個人を執拗に批判しない
- 匿名だから大丈夫と気を緩めない
- 相手の立場や背景を想像する
誹謗中傷をされたときの対応
- 冷静に状況を把握する
- SNSの運営会社に通報・相談する
- 信頼できる人や公的機関に相談する
- 証拠を残す(スクリーンショットなど)
- 深刻な場合は専門家に相談する
事例3:SNSに投稿をした写真から個人情報が流出する
SNSに投稿した写真の背景から、個人情報が特定されることがあります。
例えば、写真に映り込んだ建物や周辺の風景などで自宅を特定される危険性があります。スマートフォンの位置情報が自動的に付与される設定にしていると、さらにリスクは高まります。(SNSに投稿する際に位置情報などが削除されるものもあります)
SNSに投稿をした写真から情報が特定されないようにするための対策
- 投稿前に写真に映り込んでいる背景をチェックする
- スマートフォンの位置情報の設定をチェックする
- 家の周囲が写る写真は細心の注意を払う
- SNSごとのプライバシー設定を確認する
事例4:アカウントの乗っ取りとウイルス感染
信頼している友人や知人のアカウントが乗っ取られ、思わぬトラブルに発展するケースもあります。
友人からのDM(メッセージ)にも注意が必要です。過去には度々「ダイレクトメッセージ(DM)で不審なリンクが送られてきたが、相手が友達だから油断して開いてしまった」というトラブルが起こっています。不審なリンクを開いてしまい、スマートフォンやPCがウイルスに感染したり、SNSのアカウントを乗っ取られたりするおそれがあります。
SNSアカウントの乗っ取りやウイルス感染を防ぐ対策
- 不審なURLは開かない(脈略なく突然送られてきたURL、説明のないURLなど)
- SNSのパスワードを定期的に変更する
- SNSのログインで二段階認証を導入する
事例5:偽アカウントによる詐欺
著名人や有名企業になりすました「偽アカウント」を使用した詐欺が後を絶ちません。「公式」や「本物」を装い、投資・ビジネス・副業などの勧誘メッセージを送ってきたり、偽のサポート窓口として金銭や個人情報を要求するなどがあります。
SNSでの投資詐欺は警視庁も注意喚起をしています。著名人や芸能人を名乗っているSNSアカウントには十分に注意をしてください。

SNSで偽アカウントに騙されないための対策
- アカウントの認証バッジ(公式マーク)の有無を確認する
- アカウント名やプロフィール写真だけで信用しない
- 不審なアカウントには反応しない
- 振り込みや個人情報の入力を要求されたら要注意
事例6:著作権侵害トラブル
SNS上に他人の写真やイラスト、音楽、映像などを無断で掲載すると、著作権侵害とみなされ、損害賠償を請求される可能性があります。
ネット上で拾った画像を、そのままSNSに投稿をしたり、テレビ番組や映画のワンシーンを切り取って無断でSNSに投稿するのは止めましょう。
著作権侵害をしないための対策
- 他人の著作物を使うときは許諾を得る
- 引用ルールを守る(主従関係を守る、出典元を明記する、引用しているところを区分する、引用する必然性がある)
事例7:会社・取引先とのSNSトラブル
「上司や取引先からSNSで友達申請されて断れなかった」「プライベートを見られたくなかった」など、仕事関係の人とのSNS利用が原因のトラブルもあります。
会社の同僚や上司、取引先の人とSNSでつながることで、自分の休日の過ごし方や家族の写真など、見られたくない部分が筒抜けになってしまうこともあります。
会社・取引先とのSNSトラブルを防ぐための対策
- SNSの公開範囲の設定を細かく見直す
- 仕事用とプライベート用でSNSのアカウントを使い分ける
- 無理に友達になる必要があるか、慎重に判断する
SNSでトラブルに合わないように注意しましょう
SNSにまつわるトラブルは上記のものに限りません。トラブル事例は多岐にわたり、誰でも被害者にも加害者にもなりえます。
SNSを楽しく利用するためにも、どんなトラブルが起こるのかを知っておくことは大切です。家族や友人など、あなたの周りで起こった(あるいは起こりうる)SNSトラブルをリストアップして見るのもオススメです。
SNSは非常に便利なツールですが、使い方を誤れば大きなトラブルに発展することもあります。匿名性や手軽さに惑わされず、投稿する前に「これは大丈夫か?」と立ち止まって考える習慣を身につけましょう。
トラブルを未然に防ぐためには、情報の発信や受け取りに常に注意を払い、適切な設定やルールを守ることが何よりも大切です。ぜひ、今回ご紹介した事例を参考にして、安全で楽しいSNSライフを送ってくださいね。